【2008年7月10日】何日も暑い日が続いていて、その日もとても暑い日だった。夜の8時頃、こども達を習い事に迎えに行って帰って来て駐車場に車を停めた。車から降りると車の後ろの方から「ミーミーミー・・」と、ちいさな鳴き声がする。こども達が気になって探すが、日も暮れていてどこから声がしているのかよく分からない。子ねこの鳴き声だと思った。でも、と思いながら、ボクはエレベーターの方へ歩き出した。エレベーターの上ボタンの三角を押す。こども達と奥さんは、まだ気になって探している。んー、もう しょうがないなぁ 車まで戻って探すのに加わった 車が止まっているすぐ後ろに1メートルくらいのブロック塀があって、後ろにある家の垣根につながっている。ボクはそのブロック塀をまたいで向こう側の道に行ってしゃがんで垣根をのぞくと、とことことこと、ちいさなちいさなクロネコの子ねこが出てきた。手を差し出すとくんくんと鼻を寄せてくる・・こども達が部屋から牛乳をお皿に注いで持ってくると、ぺろぺろと飲んだ。長男と奥さんが何か食べ物を取ってくるねと部屋に戻った。娘とボクは牛乳をなめる小さなクロネコを見ていた。「ちっちゃいね」と娘が言った。背中を触ってもおびえる様子はない。<助けてもうちでは飼えないぞ>と思った。だけどボクは左手で子ねこを抱き上げて両手でしっかり抱いて部屋に連れて帰った。さぁどうする どうしよう。奥さんもどうするのーって言っている。ボクに抱かれた子ねこは顔を見上げてじっと見ている。「運命ニャ」と、どこからか声がした。気がした・・
小さなクロネコの子ねことボクたち家族のちいさな物語のはじまりです。